リンパ腫(悪性リンパ腫・リンパ肉腫) | ひとみ動物病院

リンパ腫(悪性リンパ腫・リンパ肉腫)の治療 リンパ腫は犬の造血系腫瘍の80%を占める血液系悪性腫瘍で、発生頻度は10万頭中24頭、これは人における発生頻度と比較し約2倍となっています。好発年齢は6~9歳で、ゴールデンレトリバー、シェルティー、シーズーなどに多いとされています。世界的にはダックスフンドはローリスク(発生率が低い)グループに入りますが、日本においては若齢(1~3歳)で発生する消化器型リンパ腫が多くみられています。
  • ■症状

    ノドの腫れや膝の裏のシコリで気づかれることが多く、元気・食欲などに問題がないことあります。
  • ■診断

    血液検査だけでなく、細胞診検査や場合により病理組織検査が必要となり、これは細胞のタイプ、悪性度などにより治療法が異なるため、非常に重要なプロセスになります(新Kiel分類)。
  • ■治療

    リンパ腫は無治療であると、平均生存期間は4~8週間といわれています。しかし、抗がん剤への反応は良く、犬では寛解率が80%で生存期間は約1年です。猫では腫瘍のタイプにもよりますが、寛解率が60~70%、生存期間は5~7か月と言われています。

肥満細胞腫 | ひとみ動物病院

画像:肥満細胞腫 肥満細胞腫は犬の皮膚腫瘍で最も多く、猫の皮膚腫瘍では2番目に多い腫瘍です。犬と猫では腫瘍の性質に大きな違いがみられます。犬の肥満細胞腫は硬いもの柔らかいもの、イボ状に盛り上がったもの、平らなベタッとしたものなど外見は様々で、「歳をとってイボが増えた」「脂肪の塊がある」といって来院された方でも調べてみると肥満細胞腫であることが多々あります。また、外見と同様にその挙動も変化に富んでいて、ゆっくり進行するタイプもあれば、非常に攻撃的に急激な進行を見せるタイプもいます。悪性腫瘍に分類されるので、見逃さず正確に診断することが重要です。
  • ■症状

    細い針を刺して細胞を採取して行う細胞診検査で大部分は診断がつきます。そして、肥満細胞腫であることが確認されたら、周囲のリンパ節や、内臓への遠隔転移の有無を調べるために血液検査、レントゲン検査、エコー検査を行います。
  • ■治療

    外科手術、抗がん剤、放射線療法などが有効で、細胞のタイプ、位置、動物の状態に合わせて治療を組み立てていきます。

その他、犬と猫に見られる腫瘍(癌) | ひとみ動物病院

  • 造血器腫瘍(白血病など)
  • 皮膚腫瘍
  • 肛門嚢アポクリン腺癌
  • 口腔内腫瘍(悪性黒色腫、扁平上皮癌、線維肉腫など)
  • 乳腺腫瘍
  • 消化器腫瘍(胃、小腸、盲腸、大腸の腺腫・腺癌など)
  • 泌尿器腫瘍(膀胱の移行上皮癌や腎細胞癌など)
  • 腹腔内腫瘍(肝細胞癌、脾臓血管肉腫など)
  • 鼻腔腫瘍
  • 胸腔内腫瘍(肺がん、胸腺腫、心臓腫瘍など)
  • 甲状腺がん
  • 生殖器腫瘍(精巣腫瘍、卵巣・子宮の腫瘍)
  • 骨肉腫など